2023年8月

推しがいなくなっても、私はかんたんに死んでしまうわけじゃない。大人だから知っている。結局夜は明けることを。

だけど、だから困っている。いっそ消えられたらいいのにとすら思う。そう思うくらい私は大人で、こどもだ。

(ああ大丈夫です死んだりしません、私にそんな勇気があったらもうとっくに人生に幕をおろしているので。)

 

 

 

このところ、めせもあ。のオタクをやっているだけで目に入る界隈の、いくつかのグループが夢破れるのを観測した。実際にはこの数年できっと数え切れないほど多くのグループが道半ばで夢を諦めているはずだ。目標だった幕張メッセに行けなくて、日本武道館に行けなくて、あるいは。

 

推しが夢をかなえられなかったらどうなるのか?いつまでに、何ができなければ、どうなっていた?

撤退ラインなんて私は考えたことがなかった。大人なのに。

 

 

私は推しに、めせもあ。に、夢をかなえる姿ばかりみせてもらっていたんだな、と思った。

 

 

私は誰か・何かを推すことが初めてだから、武道館にたつことがどのくらい難しくて、どのくらい現実的でないかわからないまま、そして本当にかなうと信じていたかも自分でも定かではないまま、何年も「日本武道館」を目標に掲げる彼らをみてきた。

 

各地で目標を口にしてまわっていたフリーライブで、日本武道館公演が決定したことを告知する日がきて、

今は、その武道館公演を終えたこと、横浜アリーナ公演が決まったことをお知らせしながら全国を回っている。

 

 

卒業を発表した推し、フォーゲルさんは、それ以来もずっと私たちの前でそれはそれは楽しそうにしている。ステージで舞う彼を見て「このひと本当にやめるんだ……?」と何度も思った。

こんなに楽しそうなことを手放してまで進みたい次のステージがあることにうらやましさすら覚えた。

 

 

 

フォーゲルさんは今までも、自分のやりたいことを仕事にしたり、決めた目標を達成したり夢を実現させたりしてきたように私には見えている。

フォーゲルさんはちゃんと自分で自分の道を選んで歩いてそれを正解にしていけるひとだと思うし、私はそれをかっこいいと思っていて、尊敬している。

 

きっとこれからもフォーゲルさんは、選んだ道を正解にしていけるし、

やりたいことに挑戦したり目標に向かって努力したりできると思う。

 

 

私は未来の不確定なことについて予想したり断言したりするのがあまり得意ではなくて、

フォーゲルさんの卒業後のことについても、次にやりたいことが何なのか具体的に知らないまま「応援してるよ!」なんて手放しに言うのは無責任に感じてしてしまって。

 

だけど、聖誕祭を経て、

卒業まで応援することが、すなわちそのあとのフォーゲルさんを応援することになるのかもしれない、と考えられるようになった。

 

 

フォーゲルさんが次にやりたいことが実現すること自体をうまくまっすぐ応援できない私だけど、

フォーゲルさんがこれからも自分の選んだ道を正解にしていけるひとであるといいな、とは思えるから、

 

 

ゴールテープとスタートラインの重なる場所まで一緒に走って、そこで思いっ きり背中を押すんだ。

 

 

 

 

これからの8月も、フォーゲルさんの中の人が、幸せを感じられますように。